米兵少女誘拐暴行事件を巡り、那覇地裁で23日に開かれた米空軍兵長被告(25)の第2回公判に、被害に遭ったとされる少女が出廷した。被害の詳細にも踏み込み、何度も抵抗の有無を聞かれる厳しい質問が続いた。ついたてで囲まれた証言席での尋問は、休憩を挟みながらも7時間半にわたった。
午前10時に開廷後、「Aさん」との呼称を与えられた少女。開廷から3分後には検察官からの質問が始まった。
被告宅での被害状況に関する質問では性的行為の具体的な内容が繰り返し確認された。傍聴席からはため息が漏れ、顔をしかめながら被告を見詰める女性の姿もあった。
初公判同様の姿で臨んだ被告は、通訳された少女の言葉に大きく反応をすることはなく、時折メモを取るなどしていた。少女が被害を語る場面では、しきりに額をかいたり口元に手をやったりしていた。
事件後、自傷行為が激しくなったと明らかにした少女。検察官に促され、遮蔽板(しゃへいばん)に囲まれた証言席から正面の裁判官席に向かって10カ所以上にもなる傷を見せた。事件から約8カ月を経た今も抱える、深刻な心の傷が、証言を通して傍聴人にも示された。
性的行為への抵抗の有無や程度を重ねて確認され、時折答えあぐねながらも少女は質問にしっかりした口調で答えた。だが長時間に及ぶ尋問に体調を崩したのか、予定よりも30分ほど休憩時間が延びる場面もあった。
今後の目標について聞かれ、少し声を詰まらせた後「スクールカウンセラーになって自分と同じように傷ついている子どもたちを助けたい」と話した。
(大嶺雅俊)