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いらだち見せ「記憶にない」 空軍兵の被告、犯意を一貫して否定 米兵少女誘拐暴行公判 那覇地裁 沖縄


いらだち見せ「記憶にない」 空軍兵の被告、犯意を一貫して否定 米兵少女誘拐暴行公判 那覇地裁 沖縄 被告人質問で身ぶり手ぶりを交えながら答える被告(右)=30日、那覇地裁(イラスト・相弓子)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 「起訴されて全てを失った」―。

 米兵少女誘拐暴行事件の被告人質問で証言に立った米空軍兵長の被告(25)。被害に遭ったという少女の訴えを否定し「犯罪を犯していない」と無実を主張する一方、配慮に欠ける言動も目立った。約4時間の証言でも謝罪の言葉はなく、事件の影響について問われ「自由を失った」などと語った。 

 「家、家庭、車、時計、靴。2カ月間は自由を失った。今でも自由ではない」。被告は弁護人から事件の影響について問われた場面でこう述べた。所属する嘉手納基地で「行動規制をかけられている」とも述べ「世の中の人は私のことを誘拐犯で性犯罪者だと思っている」と嘆いた。少女への謝罪を述べる場面はなかった。

 公判には一般傍聴席33席に205人が集結。被告は白い長袖ワイシャツに黒ズボンで証言台に座った。午後1時半に開廷し、弁護人からの質問で被告人質問は始まった。争点の少女の年齢認識について「18歳だと言われた」「同意を取った」とマイクに顔を近づけ、はっきりと答えた。

 少女が23日の公判で、事件前の昨年7月に受けた性被害の犯人も被告だとの認識を示したことには、質問の流れを遮って「作り話だ」などと反論した。

 一方、休憩を挟んで始まった検察官からの質問では、打って変わって慎重姿勢に。長い沈黙の後に言葉を発する姿も目立ち、大きく「フー」と息を整える場面もあった。

 捜査段階での供述と証言の違いを追及されると「記憶にない」「分からない」と重ねた。「覚えていないことが多い」と指摘され「多くのことを覚えているが、聞かれている質問は覚えていない」と語気を強め、いらだちを見せた。