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「あなたは一人じゃない」女性団体らが県民大会の開催訴える 米兵少女誘拐暴行事件 沖縄


「あなたは一人じゃない」女性団体らが県民大会の開催訴える 米兵少女誘拐暴行事件 沖縄 メッセージを手に並び、米兵少女誘拐暴行事件に抗議する参加者たち=29日午後5時10分、那覇市泉崎の県民広場(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 中村 優希

 仕事を終えて家路につく人や観光客が多く行き交う、29日午後5時過ぎの那覇市泉崎の県民広場前。米兵少女誘拐暴行事件を受け、県女性団体連絡協議会のメンバーを中心に70人が集まり、市民や県民、県議会が一丸となった県民大会の開催を訴えた。参加者らは「少女や県民の人権が侵されることがあってはならない」などと声を上げた。

 マイクを握った県民間教育研究所所長の長堂登志子さんは「少女を絶対に一人にはさせない。県民全員が立ち上がって支えるんだと伝えたい」と力強く訴えた。

 30日は事件の第3回公判が那覇地裁で開かれる。被害少女が証言台に立った第2回公判を受けて、裁判のやり方に対する怒りの声も聞かれた。

 フェミブリッジ沖縄のメンバーの女性は「何度犠牲者を出せば済むのだろう。裁判の場がセカンドレイプになっている。しかも半年も事件が伏せられていた。政府は誰を守っているのか」と疑問をぶつけた。

 中学校で音楽を教える県教職員組合の小濵まゆみ書記長(50)は「裁判で被害者が加害者がいる前で自分の状況を説明しないといけない。心が痛い。どうにかならなかったか。これ以上子どもたちを傷つけるのはやめて」と涙を浮かべ悔しそうな表情を見せた。

 「あなたは決してひとりじゃない」と書かれたボードを持って参加した親川裕子さん(48)は「国は通報態勢の運用改善で片付けようとしているが、問題はそこではない。根本的には軍隊の問題だ。こういう状況でも国は辺野古の新基地建設を進めている」と指摘。「怒りを示さないと、県民が納得したかのように装わされてしまう」と語気を強めた。

 沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんも参加し「戦後80年、ずっと基地を押しつけられ事件・事故が派生してきた。これ以上耐えることはできない」と強く述べた。

 女団協は県民大会の開催を求め関係機関への要請を重ねている。賛同団体も募っており、29日現在、23団体が賛同を表明している。 

(中村優希)