米兵少女誘拐暴行事件の第2回公判には、30席の傍聴席に約6・8倍の203人が並んだ。傍聴席には米兵の事件に抗議を続けてきた女性団体関係者などの他に、10代の若者の姿もあった。傍聴券を手にした人らは、法廷に立った少女の証言に心を痛めている様子だった。
以前から裁判に関心があったという昭和薬科大学付属高校3年の徳元天花さん(18)は、母から公判の日程を聞き、一緒に抽選に並んだ。母は外れたため1人で傍聴して「被害者の女の子に精神的に苦痛を与えるような質問が多くて、いたたまれなかった。聞いているのが女の子に申し訳ない気持ちになった」と声を落とした。
那覇市から訪れた与那覇恵子さん(70)は「少女の声を聞いただけで涙が出そうで心が痛かった。勇気を出してくれてありがとうと思った」と話した。そして「まだ10代の子を裁判所に立たせて、(遮蔽(しゃへい)板に)囲われていたとしても、さらしものになっている。これでは女性は声を上げきれない。裁判のやり方は検討すべきだ」と憤った。
(前森智香子、中村優希)