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沖縄の戦中・戦後史「関心を持って」 茨城・つくば市民が冊子作成 パネル展も開催


沖縄の戦中・戦後史「関心を持って」 茨城・つくば市民が冊子作成 パネル展も開催 写真展なども開催し沖縄を学ぶ(右から)荒井陽一さん、荒井富枝さん、後藤義昭さん、赤荻葉子さん=19日、つくば市の筑波新都市記念館
この記事を書いた人 アバター画像 斎藤 学

 【茨城】沖縄を学び、伝える。元学校教員や元公務員らが集う市民グループ「つくば市平和委員会」が沖縄の戦中、戦後史を振り返るオリジナルの冊子を作成し市民へ「関心を持って」と呼び掛けている。戦後の沖縄の史実を「自らの問題」と位置付け、今月はパネル展も開催した。

 冊子の名称は「戦後 沖縄のあゆみ」。「太平洋戦争と沖縄の地上戦」の項目から始まって1972年の施政権返還までを解説した。終戦直後の人々の生活や米軍の軍事的植民地化の経緯と仕組み、島ぐるみ闘争、施政権返還に向けた事実など内外の動きを関係資料などにあたり、総覧できるつくりとなっている。

 冊子作成のきっかけは2015年ごろから月に一度の割合で、茨城県平和委員会の伊達郷右衛門さんを講師に招いて開いてきた学習会。その成果をまとめている。19年に「辺野古」県民投票の会元代表を務めた元山仁士郎さんを招いたトークイベントがつくば市で開催されるのを前に発行した。

 冊子は、つくば市の茗溪学園で教師を務めた後藤義昭さんが主に執筆した。現在は、辺野古の新基地問題や南西シフトによる自衛隊配備などリアルな情報もアップデートさせようと増補版の作成を進める。後藤さんは「高校生や母親ら少しでも多くの人に沖縄の戦後史を知ってもらおうと考えている」と話す。

 冊子作成の一方で今月はつくば市で沖縄戦などの写真や資料を展示する「平和を考えるパネル展」も開催した。今月17~20日の会期には220人が来場。参観した市民からは「戦争のむごさを知った」「沖縄の問題は日本全体の問題と再認識した」などの声が寄せられた。主催者の一人の荒井陽一さんは「平和を危うくするのは無関心。パネル展などを通じて沖縄に関心を持っていただけたと思う」と話し、地道な取り組みを今後も続けていく思いを語った。

 (斎藤学)