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「絵で解る琉球王国歴史と人物」シリーズ完結 6年かけ第3巻を編さん 沖縄 


「絵で解る琉球王国歴史と人物」シリーズ完結 6年かけ第3巻を編さん 沖縄  「絵で解る琉球王国歴史と人物3」を紹介するジェイシーシーの幸地均さん(右)と中村万季子さん=18日、那覇市松尾
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 琉球王国時代の歴史と人物を、カラーの絵や図解などで分かりやすく解説した「絵で解る琉球王国歴史と人物3」が、20日から県内各書店で順次販売される。2004年に第1巻の編集が始まってから20年。第3巻発行でシリーズは完結を迎えた。

 第3巻は1、2巻で取り上げることができなかった尚温王や後蘭孫八(ごらんまごはち)などの34人をオリジナル人物画付きで分かりやすく紹介している。編さんに携わったジェイシーシーデザイン企画部課長の中村万季子さんと出版部の幸地均さんは「残された資料が少なく、編集は難しい面もあった。沖縄の歴史を広く、深く、正しく伝えたい」と発刊に込めた思いを語った。

 監修は井上秀雄県立芸大名誉教授が務めた。沖縄戦の影響で残された資料などが少なく、第3巻の編さんには約6年を要した。掲載されている人物画は県内の画家などが描いた。時代背景や風習などを井上名誉教授が監修し、修正などを重ねた。

 幸地さんは「井上先生あっての本。いろいろな指摘を受けながら勉強し、どうにか完成することができた」と笑顔。中村さんは「歴史を学ぶことは自分のルーツを知ること。多くの人に手に取ってもらいたい」と話した。

 本は各ページにQRコードが掲載されており、多言語で解説を読むこともできる。価格は税抜き1650円。

(当間詩朗)