県が宮古島市で進める下地島空港周辺の利活用をめぐり、世界で宮古諸島にだけ生息する絶滅危惧種ミヤコカナヘビなどへの悪影響が懸念されるとして、自然保護5団体が20日、県に環境保全を求める要請をした。
要請したのは、世界自然保護基金、日本自然保護協会、日本野鳥の会、どうぶつたちの病院沖縄、宮古野鳥の会の5団体。
要請書では、同空港周辺は宮古諸島最大規模のまとまった緑地で、ミヤコカナヘビや、サシバなどの希少な野生動物の重要な生息地にもかかわらず、県の利活用事業で「保全や配慮がされていない状況」と指摘。計画区域の見直しや、利活用事業者に生物多様性への配慮を求めることなどの保全措置を求めている。
要請後の記者会見で、宮古野鳥の会の仲地邦博会長は「ミヤコカナヘビもサシバも数が減って非常に危機感が強い」。どうぶつたちの病院沖縄の長嶺隆理事長は「県もミヤコカナヘビを守ると言っているので、最後の緑地が失われないようバランスの取れた取り組みをしてほしい」とそれぞれ語った。
(南彰)