名護市の安和桟橋前で起きた死傷事故で、辺野古新基地建設への抗議活動中に重傷を負って入院中の女性(72)が本紙の取材に応じた。
事故があった時、女性は桟橋から出るダンプカーの台数を記録していた。ところが、現場で定着していた「抗議者が出口の片道を牛歩で歩いたら、ダンプカーを1台出す」という「暗黙のルール」に反して、2台続けてダンプカーを出そうとした。このため、「ルール違反」と言って制止しようとした。「これまでは止まったのに、そのまま走ってきた。歩道部分で、『車道に飛び出した』と流れている話は違う」と語った。
「沖縄防衛局側が強引になって、運転手や警備員への締め付けも厳しくなっている様子だった」と振り返り、「防衛局は自分たちが作業を急がせて事故を起こしながら、他人のせいにしている」と批判した。「警備員や運転手も被害者だ。みんなでこの状況に立ち上がらないといけない」と話した。
退院後は車いすでも新基地建設反対の抗議活動に復帰する意向だ。「自分のためというより、子や孫のために、私ができることはやっていきたい」と語った。
(南彰)