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南城市長セクハラ疑惑 第三者委は市の主導で準備 真相解明に独立性が課題 沖縄


南城市長セクハラ疑惑 第三者委は市の主導で準備 真相解明に独立性が課題 沖縄 南城市役所(資料写真)
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 古謝景春南城市長のセクハラ疑惑を巡り、25日に閉会した南城市議会の9月定例会では、発足まで時間がかかっている第三者委員会を中心に質疑が行われた。ただ、市執行部の主導で設置の準備が進んでおり、第三者委が独立性を保って真相解明できるのかが課題だ。

 25日の本会議。仲間光枝市議は、岐阜県岐南(ぎなん)町長のセクハラ問題の第三者委の報告書に言及。職員からヒアリングや情報提供に協力したことがばれないよう求める声を受けて、第三者委がした取り組みを紹介した。「町長および町長の意に沿って動く可能性のある職員には情報が伝わらない方法で行うことを心掛けた」

 仲間市議は「(南城で)設置される第三者委でも最大限に配慮すべきことだ」と指摘。補正予算案の審議の中で「職員が安心して話せるような方法、工夫、注意についての議論、説明はあったか」と尋ねたが、平田安則総務福祉委員長は「そのような議論はなかった」と答えた。

 議会の要請を受けた第三者委だが、「セクハラの申告はない」と説明してきた市執行部が設置の準備を進める。委員の推薦を求める4団体も市執行部が決めた。

 「調査には関与しない」としているが、調査内容にも意向を反映させようとしている。

 9日の本会議では、島袋裕介市議が「アンケート全体を第三者委にかけると時間がかかる」として、職員アンケートで9件の訴えがあった市長のセクハラ疑惑を念頭に対象を絞るよう求めた。しかし、當眞隆夫副市長は「職員、前市長もあったと聞く。ピンポイントというよりは全体として審議すべきでは」と否定的な考えを示した。

 市議会は、前市長時代の幹部からのパワハラなどの申告も含まれた職員アンケート結果をそのまま第三者委に委ねる予定だ。岐南町の第三者委関係者は「事実認定は大変で、全体を調べるとなると、膨大な作業となる。設置を求めた議会側が、対象をもう少しきちんと整理すべきだったのではないか」と懸念を示す。

 古謝市長は25日、報道陣の取材に直接答えず、秘書を通して、「第三者委についてはノーコメント」と回答した。

 この日の市議会では、ハラスメントの外部相談窓口設置予算を盛り込んだ補正予算が成立。市は10月1日に設置する予定だ。

(南彰、普天間伊織)