古謝景春南城市長のセクハラ疑惑などを受けて設置されるハラスメントに関する第三者委員会について、南城市が委員名を非公表にする方向で調整していることが分かった。調査を担当する委員名まで伏せる対応は異例で、批判が出ている。
第三者委は15日午後3時から市役所内で初会合を開く。市は、弁護士会などからの推薦に基づいて弁護士2人と社労士、心理士、医師1人ずつの計5人の委員を9月に決めたが、委員名を明らかにせず、初会合も非公開で行う予定だ。
新垣郷太総務部長は本紙の取材に「委員の意見も聞かないといけないが、市としては非公表がよいと考えている」との見解を示した。
市側の説明を受けた中村直哉議長は「健全たる審議に影響が出ることが考えられるため、調査結果が出るまでは委員名は公表しないと聞いている」と語った。ただし、委員の意向で公表することもあるという。
今回の第三者委は、市議会特別委員会が4~5月に実施した職員アンケートの結果を受け取り、実態解明を担うことになる。職員の一人は「匿名では、委員が市長に近い人かも分からず、安心して調査に協力できない」と問題視する。第三者委設置を求めてきた「南城市ハラスメント問題調査検証議員連盟」の市議は「ベールに包まれたままでは誰も安心して声をあげることはできず、市民の不信も募る」と批判している。
自治体の第三者委では、コザ高の自死事案や浦添市長の動画問題などでも委員名が公表されている。昨年から今年にかけて岐阜県内で相次いだ首長のセクハラ疑惑でも、第三者委は委員名を公表し、首長の調査妨害にも対抗策を講じていた。
(普天間伊織、南彰)