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「武力より平和外交を」「基地問題の不安、寄り添いに期待」 石破内閣発足に沖縄県内の声


「武力より平和外交を」「基地問題の不安、寄り添いに期待」 石破内閣発足に沖縄県内の声 任命式と認証式を終え、記念写真に納まる石破茂首相(前列中央)と閣僚ら=1日午後8時19分、宮殿・北車寄(共同通信社)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党の石破茂総裁(67)が1日に内閣総理大臣に指名され、新内閣が発足した。県内からは石破氏や閣僚の顔触れに不安と期待の声が上がった。

 「自民党の裏金事件など問題を前にして、早々に衆院解散を発表した。以前は論戦を大事にしていたから、期待感があっただけに残念だ」。県議会議員、参院議員を長く務めた糸数慶子さん(76)はため息交じりにこぼした。石破内閣の閣僚19人のうち女性は2人のみ。女性の政治参画のため活動する「パリテカフェ@沖縄」の代表も務める糸数さんは「いろんな意見、生活者の視点が政治には必要だが、(閣僚の)顔触れも周囲への配慮がにじむ」とあきれた。

 区周辺で新基地建設が進む名護市豊原区の宮城直美区長は先月開かれた自民党総裁選候補者による演説会に触れ「沖縄の基地負担や事件事故への不安に寄り添ってくれるのでは」と期待する。同演説会で、石破氏は「沖縄の理解を得て決めたかというと、必ずしもそうではなかった」と述べた。宮城区長は「折あるごとに沖縄について発言している。騒音問題などの課題をよく知っているはずだ」と解決を願った。

 ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会で共同代表を務める上里清美さん(68)は「石破首相が『アジア版NATO』構想を掲げていたが、不気味だ。アジアの緊張を高めないでほしい」と指摘。「これまで政府は南西諸島の軍備強化を続けてきた。どの首相候補にも期待はできないと思っていた。武力に頼らない、平和外交に努めてほしい」と訴えた。

 那覇市のパレットくもじ前で子どもとバスを待っていた30代女性は「身近な人が与那国にいるので、台湾情勢・台湾有事にどう対応するのかが気になる」と話す。普段は仕事や育児に忙しく、今回の組閣も「詳しくは分からないが、政治のことを子どもにも教えたい。もっと分かりやすく国民に周知してほしい」と要望した。

(玉城凪姫、友寄開、武井悠、玉城文)

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