石破茂首相が9日、衆院解散に踏み切った。27日投開票の衆院選に向けて、県民からは少子化対策や物価高騰対策などを求める声が上がった。一方、就任前に掲げていた政策への姿勢に変化が見られる石破首相への不信感なども聞かれた。
那覇市役所を訪れた会社員の村山直輝さん(48)=那覇市=は「沖縄は今は人口が増えているが、将来減るのは目に見えている。子どもたちが安心して暮らせるように、少子化対策に力を入れてほしい」と話した。27日投開票の選挙について「若い人が政治にもっと興味を持てば世の中が変わるのではないか。自分たちと親の世代でも考え方が全然違う。若い人にもっと選挙に行ってほしい」と願った。
牧場の仕事に携わる渡久山愛美さん(39)=大宜味村=は牧草代や光熱費などの物価高騰に頭を抱える。「これまでの収入維持が難しい。農家の現状を見据え、柔軟性のある補助制度で小さい農家を守ってほしい」と求める。周辺地域の人口が減少する中「地域の個性や利点、自然を生かした経済発展を推進してほしい」と願った。
南西諸島への自衛隊配備に反対してきた宮良純一郎さん(74)=石垣市=は「憲法9条が形骸化されている」と日本の政治状況を嘆き、選挙後の改憲勢力の動向に気をもむ。近年、八重山で繰り返される日米共同訓練などに触れ「新たな戦前にならないようにしてほしい」と望んだ。
南城市で農業関係の会社を営む新里修三さん(49)=那覇市=は政治に望むこととして「農地の利活用など農家の視点に立った農業振興を」と述べた。投票のポイントに「子ども対策」を挙げ「若者がしっかり教育を受けられる環境にしてほしい」と話した。
(普天間伊織、照屋大哲、武井悠、中村優希)