沖縄戦戦没者の遺骨収集に取り組むガマフヤーの具志堅隆松さん(70)の案内で、糸満市荒崎海岸に建てられた「ひめゆり学徒隊散華の跡」の碑周辺で遺骨収集をしていた沖縄尚学高校の生徒が12日、日本兵のものとみられる認識票を発見した。具志堅さんは「多くの人が訪れる碑の近くで、まだ物品があったのかと驚いている。持ち主を特定し、関係者の元に返したい」と語った。
発見したのは、沖縄尚学高校2年の仲宗根歌芳(かほ)さん(17)。長崎県の長崎東高校が主催する「長崎東同窓会助成事業 ワールド・ワイド・ラーニング沖縄平和フィールドワーク」に参加し、同校や那覇国際高校の生徒らとともに12日午前から荒崎海岸を訪れていた。
仲宗根さんが碑のすぐ下の岩場の間に入り込んだところ、石灰が付着した硬貨のようなものが落ちているのを見つけた。具志堅さんの提案で10円玉で表面をこすると、刻まれた字がはっきり見えたという。「持ち主の方の生死は分からないが、もし探している人がいるのなら、早く見つかり、少しでも心が楽になってくれたらいいと思う」と話した。
具志堅さんによると、認識票は縦45ミリ、横33ミリ。上下にひもを通すための穴が空いている。右側には漢数字で「一二四二七」、中央に「に」、左側には「八」の字が読み取れる。右側の漢数字は部隊番号を示すとみられる。12日は物品のほか、足の指とみられる遺骨なども見つかった。
具志堅さんは今後、部隊の情報などを集めて持ち主を探す。情報提供や問い合わせは具志堅さん、090(3796)3132。