首里城「最古の写真」カラー化作品を募集 1877年撮影、再興研究会がプロジェクト


首里城「最古の写真」カラー化作品を募集 1877年撮影、再興研究会がプロジェクト ルヴェルトガ写真のカラー化プロジェクトについて説明する伊佐眞一さん(右)と友知政樹教授=18日、那覇市の県庁記者クラブ
この記事を書いた人 Avatar photo 当銘 千絵

 首里城再興研究会は17日、那覇市の県庁記者クラブで会見を開き、現存する首里城正殿の最古の写真として知られるルヴェルトガ写真をさまざまな手法によりカラー化した作品を募集し、公開するプロジェクトを実施すると発表した。

 関係者らは「現在進められている首里城再建工事に際し、史実に基づいた復元にするための機運を高めたい」と意義を語った。

 首里城再建を巡っては、正殿前に建つ大龍柱の向きが「相対向き」か「正面向き」かで論争が交わされているが、国の「首里城復元に向けた技術検討委員会」では平成の復元を踏襲し、暫定的に相対向きとする方向で調整が進められている。

 一方、琉球国王が首里城を明け渡す2年前の1877年にフランスの海軍中尉ルヴェルトガが撮影した同写真では、龍柱が正面を向いていることが鮮明に確認できることから、同会関係者らは正面向きで復元すべきだと主張している。沖縄国際大の友知政樹教授は「プロジェクトを通して、正面向きこそが史実であることを県民に広く伝えるとともに、首里城のあるべき復元について考える機会にしたい」と訴えた。

 作品は原則、同会ホームページからダウンロードできるルヴェルトガ写真の原図を使用すること。色調は自由で、AIや水彩画など着色手法も問わない。応募作品の中から選ばれた作品を随時、同会ホームページで公開するほか、作品が集まれば展示会も開催する。

 応募は作品の画像ファイルをメールshurijo.saikou@gmail.comへ送ること。

 (当銘千絵)