自民、公明両党が大幅に議席を減らし、過半数を割り込む結果となった衆院選。県内の投票率は過去最低の49・96%となり、関心の低さがうかがえた。投開票から一夜明けた28日、県民からは政治へのさまざまな注文が上がった。
争点の一つに上がった物価高対策。物価高騰に賃金上昇が追い付かない状態に、各候補者が打開策を訴えた。物価高対策を重視して投票したという八重瀬町新城の座嘉比光雄区長(67)。区は高齢者が多く、相次ぐ値上げに「以前より年金で買える物が減った」と嘆く声が聞かれるという。住民が安定して地域で暮らし続けられるよう「さらなる物価上昇の抑制と、年金支給額や賃金の引き上げを推し進めてほしい」と求めた。
県内の投票率の低さについて、環境活動コミュニティーの代表を務める宮島萌さん(27)=読谷村=は「政治家は市民ではなく、お金や自分の地位を優先しているように見受けられる。政治と市民が遠い関係に思える」と指摘。市民の声が反映されない状況もあるが「私たちが声を上げ続けることで政治も変わる」と話した。
政治とカネの問題が問われた衆院選。「今回はみんなが投票に行くと思った。こんなに低いのは意外だった」と話すのは、那覇市の自営業堀川和歌子さん(47)。基地問題について本土と差を感じるといい「沖縄県民に寄り添い、もっと考えてほしい」と訴える。「能登半島地震の被災地の復興状況など、困っている人たちへの支援が不十分に感じる。お金の使い道をはっきりさせ、クリーンな政治をしてほしい」と望んだ。
東村の小売業の20代男性は「裏金問題などが解決できるような、信頼できる人」に一票を投じたという。支持政党は特にないとしつつ「あまりにも自民一強だとバランスが良くない。政治の風通しが良くなることを期待している」と話した。
(岩切美穗、玉寄光太、金盛文香、前森智香子)