【与那国】日米共同統合演習「キーン・ソード25」に参加していた陸上自衛隊の輸送機V22オスプレイが27日に陸自与那国駐屯地で機体の一部を損傷させた事故で、防衛省が前日の26日に糸数健一町長や複数の与那国町議を同機に搭乗させ与那国島周辺を飛行する計画をしていたことが29日、分かった。
町長は29日、事故について「遺憾」とし原因究明、再発防止の徹底を求めるとするコメントを発表した。本紙は町に町長への取材を申し込んだが、コメント以上のことは言えないとして応じなかった。
防衛省統合幕僚監部の担当者は取材に「訓練内容を見てもらい理解してもらうため」町長らに案内を出したと答えた。10人の町議全員に案内を出したのかどうかについては「詳細は答えられない」とした。本紙の調べでは案内を受けていない町議もおり、防衛省側が搭乗させる町議を選別していた格好だ。
搭乗予定だったある町議は26日朝、防衛省側から天候不良で搭乗は中止との連絡を受けたという。27日の事故については「本当に天候が理由だったのか。機体の調子が悪かったのではないか」といぶかしんだ。その上で「あれで済んで良かった。もし上空で同じことが起きていたら死傷者が出ていたかもしれない。自分も巻き込まれていたかもと思うと恐怖だ」と語った。
予定が合わず搭乗を断ったという別の町議は「不安定な機体だと感じる」とオスプレイを不安視し原因究明を求めた。