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「あの景色、もう一度」隣接の城西小、児童ら合唱で復興願い 沖縄


「あの景色、もう一度」隣接の城西小、児童ら合唱で復興願い 沖縄 首里城復興ソング「SYURI NO UTA」を歌う城西小学校の6年生ら=21日、那覇市首里真和志町
この記事を書いた人 Avatar photo 高橋 夏帆

 首里城再興に向けて、隣接する那覇市立城西小学校の児童が活動を続けている。学校独自で復興募金を5年続けていて、昨年は焼失した日に合わせて、校舎の屋上から首里城に向かって復興ソング「SYURI NO UTA」を合唱した。焼失から5年を迎える今年の10月31日も、6年生が屋上から歌う。照屋慈三(いつみ)さん(11)は「沖縄に暮らす一人として、歌を通して首里城再建への思いをみんなに届けたい」と思いを募らせている。

 「あの日みた景色を もう一度探しに行こう この島を愛する全ての人達へ 届け」。21日午後、城西小の音楽室で6年生が復興ソングを練習していた。この日は音大卒の保護者が歌う復興ソングを聴く鑑賞会があった。朝倉杏(こう)さん(12)は「ソプラノは明るい未来、アルトは火災の火を連想させる暗く悲しい音に聞こえた」と圧倒されていた。

 復興ソングは国内外で活躍するバイオリニストの竜馬さんが2019年に作曲し、県出身のボーカルユニット5th Elements(フィフスエレメンツ)のA―RA(アーラ)さんが作詞した。同校の児童が屋上で復興ソングを歌ったことを知った竜馬さんが、今年1月、学校を訪ねて演奏したことから交流が始まった。10月31日は竜馬さんらプロジェクトメンバーの生演奏や児童の募金贈呈の後、6年生が屋上で合唱する。

 焼失当時、1年生だった朝倉さんは付近の龍潭(りゅうたん)から燃える首里城を目の当たりにした。「(周囲は)悲しい雰囲気に包まれて静かだった。身近だった首里城の(存在の)大きさに気付かされた」と振り返る。学校や近所での復興募金を続ける渡名喜ねねかさん(11)は「首里城は沖縄の象徴で城西小の魅力の一つ。(当日の歌が)再建工事をする人にも気持ちが少しでも届けばうれしい」と話した。

 (高橋夏帆)