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ネタ合わせ、当たり前にあった場所 首里高出身のお笑いコンビ「しんとすけ」の思い<沖縄の象徴再びー首里城火災から5年>


ネタ合わせ、当たり前にあった場所 首里高出身のお笑いコンビ「しんとすけ」の思い<沖縄の象徴再びー首里城火災から5年> 奉神門前に立つ、しんとすけの(右から)首里のすけさん、しんさん=11日、那覇市の首里城公園(ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子

 那覇市首里出身の首里のすけさん(34)としんさん(35)が、首里高校で出会い結成したお笑いコンビ「しんとすけ」。学生時代のネタ合わせ場所は首里城公園内だ。首里杜館のガラス戸を鏡代わりにして、漫才の技を磨いてきた。

 5年前の首里城火災を、首里のすけさんは知人のSNSで知った。崎山公園に駆けつけたのは午前3時27分。赤々と燃える首里城正殿を目にし「どん底に落とされた感じだった」。しんさんも「悲しかった」と話す。

 焼失前、2人にとって首里城は「あって当たり前の存在だった」。首里のすけさんは考えた。「存在自体がありがたいものと気付いた。建物がなくなってこんなに喪失感を抱くことがあるのか。アイデンティティーやDNAなのか」

 火災の2日後、首里のすけさんは首里城周辺の観光地を紹介するSNSに「今こそ、首里に足を運ぼう」と投稿した。テレビ番組などでは、首里の町を案内しながら大喜利をする「SHURIPPON」の企画で盛り上げてきた。

 新しい正殿の完成まであと2年。再建作業を見学したしんさんは「一大プロジェクト。すごいことだと感じた。新しい首里城が楽しみ」と語る。首里のすけさんは「首里の地元の人が集まり、新しいことを始めようという機運がある。首里の町全体が盛り上がれば」と期待した。

 (田吹遥子)