【石垣】3日に石垣市であった第60回石垣島まつり2024(主催・同実行委員会、会長・中山義隆市長)の市民大パレードに、陸上自衛隊石垣駐屯地の隊員が迷彩服姿で参加し、行進した。石垣駐屯地は昨年も参加しており、自衛隊が迷彩服姿で一般のイベントでパレードするのは県内初だった。沿道では日の丸の小旗を振る市民もおり「地域になじめている」と歓迎する声がある一方、「戦前のようで異様だ」と反対する声もあり、市民の間で賛否が割れている。
石垣駐屯地の担当者は参加目的について「駐屯地について理解を深めてもらうため」とし、迷彩服で参加したことについては「私たちの制服である」からとした。
まつりでは第15音楽隊(那覇市)がパレードを先導し、無線機を背負った隊員らが行進した。駐屯地によると、同音楽隊と合わせ約80人の隊員が参加した。昨年は自衛隊の行進時に使用する曲を演奏したが、今年は「地域に親しみやすく」するため「うちなーソングメドレー」やJポップに選曲を変更した。
八重山防衛協会、八重山自衛隊家族会、隊友会八重山支部の3団体が沿道の市民らに日の丸の小旗を配布した。
防衛協会会員の70代女性は「地域になじんでいる感じがする、行進して良かったと思う」と語った。別の70代女性は「まつりに迷彩服は腹立たしい。来年からはやめてほしい」と求めた。「武力で平和は守れない」と書いた横断幕を広げ、抗議の意思を示す市民もいた。
市内の市民団体「石垣島の平和と自然を守る市民連絡会」は1日、実行委に対し、「迷彩服(戦闘服)姿による行進は戦争を想起」させるとして、迷彩服着用での隊員の参加を取り消すよう求める申し入れ書を手渡していた。申し入れ書では「石垣島まつりの目的である市民の郷土意識の高揚と市民相互の連帯、豊かな明日への本市活力と創造性の結集にはそぐわない」と訴えた。
(照屋大哲)