那覇市泊の尚学院で2日、出入り口のガラス製ドアを壊して建物内に侵入したとされる事件を巡り、米軍が身柄を確保した関係者は米兵で、米兵の意向によって基地内の病院に搬送されたとみられることについて、米軍関係の事件に詳しい新垣勉弁護士に話を聞いた。
逮捕要件となる逃走や証拠隠滅などがないと分かった時点で逮捕しないとするなら納得できる。警察はけがの治療を優先するため現行犯逮捕しなかったと説明しているが、事件直後では判断できないのではないか。
容疑者がけがを負った場合、日本人でも本人が指定した病院に運び込むことはある。しかし、米軍関係者の場合は基地内の病院に搬送すると身柄が米側に移ってしまう。日本の警察による捜査が進まないまま、米兵の言い分だけで基地内の病院に連れて行ったとすれば問題があると言える。
事件後に客観的な状況が分かり、捜査が順調に進んでいる場合は、任意で捜査を進めるという方針も確かに理解できる。だが今回は容疑を認めているのだろうか。本来であれば、犯行直後は日本の警察権がおよぶ基地外の病院に搬送して治療を受けさせ、けがの状況をみて捜査を進めるべきではないか。