那覇市泊の塾や専門学校を運営する尚学院で2日、出入り口のガラス製ドアを壊して建物内に侵入したとされる事件を巡り、沖縄防衛局は6日、琉球新報の取材に対し、米軍が身柄を確保した関係者は米兵で、基地内の病院に搬送されたと明らかにした。また、米軍基地内の病院に搬送されたのは、米兵の意向だったとみられることが尚学院関係者への取材で分かった。防衛局職員は同日、尚学院の現場を視察した。
関係者によると、米兵は「日本の病院は高いから、軍の病院に連れて行ってくれ」などと述べていたという。当初、那覇署の警察官が先に現場に駆けつけたが、米軍憲兵隊に米兵の身柄が引き渡され、基地内の病院に搬送されたという。
那覇署によると事件発生時、米兵は縫合が必要なけがを負っていたことや、現場の状況などから事件への関与が特定できていたとして、病院への搬送を優先したという。今後、基地内から署に呼び出して、任意で取り調べを進めるとしている。
日米地位協定では、国内で米軍人らが公務外で犯罪を起こし、日本の警察が現行犯逮捕などで身柄を拘束した場合は日本側が身柄を確保して捜査すると定められている。一方で、米国側が身柄を確保した場合は原則として日本側が起訴するまで米国側が確保し続ける。