塾などを運営する、那覇市泊の尚学院で2日未明、米軍関係者とみられる男が出入り口のドアを壊す事案が発生していたことが関係者への取材で分かった。男はドアを壊す際に出血を伴うけがを負った。米軍側が身柄を引き受け、基地内の病院に搬送されたとみられる。
那覇署は建造物侵入と同損壊の疑いで、米軍の協力を得ながら任意で取り調べを進める方針。
尚学院の名城郁子常務理事は「職員や生徒に被害がなかったのが不幸中の幸いだった」と述べ、その上で「基地を沖縄に置くのなら、迷惑のないように教育を徹底してほしい」と米軍に求めた。
尚学院によると、国道58号側にある別館のドアのワイヤ入りガラスが割られた。男はガラスを素手で殴ったり、蹴ったりするなどして壊し、建物内に侵入したとみられる。建物内の廊下や壁面には血痕が残っていた。
関係者によると、午前2時半ごろにドア付近に設置した検知器が作動した。警備員が到着した時には、男は国道58号沿いの歩道で横たわっていたという。飲酒していたとみられる。男の氏名や所属などは尚学院側に伝えられていない。
警備会社から連絡を受けて、同日午前3時半ごろに現場に駆けつけた40代男性職員は、救急車の中で上半身と両腕に包帯を巻いて治療を受ける男の姿を見たという。「男の身元引受人としてMPが来ていたが、数日たっても米軍から謝罪もない」と憤った。