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【スクープ第4弾】新基地絡む投資トラブル、別の2人も被害か 海砂採取事業に勧誘、地元団体との“つながり”で信用得る手法は同一 CSS前事務局長を紹介され「基地利権に参入できると期待」<幻影の辺野古マネー>


この記事を書いた人 琉球新報社

 【東京】名護市辺野古の新基地建設関連事業への出資を巡り、東京都内の会社を経営する50代の男性=名古屋市在住=が、別の会社経営者に9億円をだまし取られたとする被害を訴えている件で、新たに関東在住の60代男性2人が同様の出資をし、トラブルになっていることが30日、関係者への取材で分かった。2人は刑事告訴を検討している。埋め立て工事用の資材を運搬するガット船(運搬船)を使用した海砂採取事業などへの投資で、計2400万円出資したものの、事実上の配当が滞っているという。

 関係者によると、辺野古関連事業にかかわる「重機のリース業」への出資を巡ってトラブルになり、警視庁に告訴状を提出した50代男性のケースと同様に、契約書には一般社団法人辺野古CSS(キャンプ・シュワブ・サポート、CSS)の前事務局長が設立し、代表理事を務める団体名が記載されていたという。

 告訴されている会社経営者は、地元団体とのつながりを強調して信用を得る一方、辺野古工事に関連するさまざまな名目で資金集めを繰り返していた構図が鮮明となった。

 琉球新報が入手した契約書や関係者の証言によると、新たに被害を訴えているいずれも60代の会社役員男性2人は2022年5月、知人を介して会社経営者と知り合った。

 会社経営者は2人に、埋め立て工事用の資材を運搬するためのガット船を使用した「海砂採収事業」への投資を提案した。見返りとして「対価」と称する事実上の配当を支払うなどと誘い、同6月に両者は契約を交わした。

 契約はCSS前事務局長が代表理事が務める一般社団法人が推進する「沖縄関連事業」への「協力金」名目でそれぞれ1200万円、2人で計2400万円を預けるという内容だった。

 契約書は9億円の返還を巡ってトラブルとなっている男性が交わしたものと酷似しているが、事実上の配当で「対価」の利率は12%から20%に跳ね上がっていた。

 22年7月から「対価」の支払いが始まったが、12月にストップした。その際、会社経営者から「1月にまとめて支払う」と返答があったが、それ以降は「対価」の一部が支払われたのみで、23年2月以降は支払いが完全に止まったという。

 2人は会社経営者から22年7月、「コンサルティング先」として東京都内でCSS前事務局長を紹介されたとしており、「辺野古事業の推進のために尽力している人物という印象だった。彼らを介して沖縄の基地利権に参入できると期待した」と証言した。
 (「幻影の辺野古マネー」取材班)

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