PFAS含む消火剤、沖縄県庁から流出 地下タンクで保管中 久茂地川で微量を検出


PFAS含む消火剤、沖縄県庁から流出 地下タンクで保管中 久茂地川で微量を検出 沖縄県庁
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 県が那覇市泉崎の県庁で保管していた有機フッ素化合物(PFAS)を含む消火剤が流出していたことが26日までに分かった。関係者によると、県庁の地下のタンクに保管していた消火剤が減っていることが発覚した。検査によって、県庁周辺の久茂地川から微量のPFASが検出されたという。県は近く正式に発表する見通し。


 PFASは発がん性などが指摘されている。地下タンクで保管していたのは、公共施設などで用いられていた消火剤とみられる。県の管理体制の甘さが問われることになりそうだ。

 PFASは有機フッ素化合物の総称。物質としての安定性が高いため、環境中でほとんど分解せず、人や動物の体内にも蓄積する。そのうち「PFOS」は発がん性などが指摘され、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約で国際的に製造・使用が制限され、国内でも一部例外を除き原則的に使用・製造が禁止されている。

 「PFOA」は世界保健機関(WHO)の外部機関が発がん性の恐れがある物質に指定している。

 PFASは、沖縄では主に米軍基地や自衛隊基地で使われていた泡消火剤に含まれていた。訓練や流出などで地下水、土壌が汚染されていると指摘されている。県は、米軍基地周辺の河川などから高濃度のPFASが検出されたことから、基地が汚染源の可能性が高いとみて立ち入り調査を求めてきたが、消火剤の流出事故などを除いて認められていない。

(沖田有吾)