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【記者解説】米軍、無人機「MQ9」の緊急時の武装を否定せず 嘉手納基地の機能強化、明白に


【記者解説】米軍、無人機「MQ9」の緊急時の武装を否定せず 嘉手納基地の機能強化、明白に 嘉手納基地に飛来した米軍の無人偵察機MQ9=13日、嘉手納町
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 米軍嘉手納基地配備に向けて移駐が進む無人偵察機MQ9について、米空軍は攻撃能力を認めた上で緊急時の使用可能性も否定しなかった。防衛省は配備目的が情報収集だと強調しているが、緊急時に武装して攻撃兵器として使う可能性を残したまま配備すれば、嘉手納基地の機能強化につながることは明白だ。


 MQ9の原型は、もともと偵察機として設計されたRQ1だ。Rは「偵察」を意味する。その後、頭文字を「多用途」を意味するMに変更し、ミサイル機能が追加された。MQ1は「プレデター(捕食者)」と呼ばれ、攻撃型ドローンとして知られる。この機能を拡大した後継機が、嘉手納基地に配備されようとしているMQ9だ。
 MQ9は「刈り取るもの」「死神」を意味する「リーパー」と呼ばれる。米軍のサイトによると、ヘルファイアミサイルやレーザー誘導爆弾などを搭載できる。アフガニスタンで実戦に投入され、国際テロ組織「アルカイダ」幹部の殺害などに使われた。
 防衛省は騒音が小さいなどの住民受けする説明を前面に打ち出し、地元の理解を得る前に嘉手納基地配備に向けた準備を強行してきた。攻撃機能の使用の可能性に関して明確に説明してこなかった。米軍の説明通りであれば、武装の可能性は否定できない。MQ9の配備に関する前提が変わることになる。防衛省がいくら「情報収集仕様」と強調しても、当事者である米軍に攻撃機能の不使用を確約させなければ意味がない。
  (明真南斗)

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