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議員の討論文、浦添市が提供 与党系「賛成」10年で105件


議員の討論文、浦添市が提供 与党系「賛成」10年で105件 浦添市役所
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 浦添市が、議案に賛成の立場の議員が討論に立つ際の文面を作成し、与党系の市議に提供していたことが25日までに分かった。ほぼ文面通りに読み上げられている例もあった。2013年3月定例会から23年9月定例会までの約10年間で、105件が確認された。野党系の又吉健太郎市議(翔・未来の会)が、市に情報公開請求し、入手した文書で明らかになった。

 市によると、賛成討論の文面作成は10年以上前から慣例としてあった。識者は「議員自らが政治を行い、行政を通じて有権者から託された思いを実現するという使命について分かっていない」と指摘している。

 賛成討論の作成が最も多かったのは、市の財政運営を担う財政課で28件。内容は一般会計補正予算に関するものだった。次いで国民健康保険課が20件。

 2022年3月から23年5月までの約1年間で見ると、今回の公開請求に文書が存在しているとして開示された賛成討論は10件。

 市議会会議録検索システムの検索結果と議会の録画中継、開示された賛成討論資料を見比べると、10件中、ほぼ文面通りに発言されたものが8件あった。内訳は公明党会派の3市議5件、自民党会派の3市議3件。残る2件についても市作成の文面があったが、一部分のみを参考にしたとみられる。

 (藤村謙吾)

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