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救難に普天間オスプレイ 派遣1機に不具合か 地元、懸念広がる 屋久島沖墜落事故 


救難に普天間オスプレイ 派遣1機に不具合か 地元、懸念広がる 屋久島沖墜落事故  奄美空港で駐機する米海兵隊のMV22オスプレイ。奥は移動する民間機=2日午後2時10分ごろ(共同通信)
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 鹿児島県・屋久島沖の米空軍輸送機CV22オスプレイ墜落事故で、在日米軍は2日、普天間飛行場に所属する別タイプのMV22オスプレイを鹿児島県・奄美大島の奄美空港に派遣した。救難活動と人員輸送のためとしている。防衛省によると、派遣された2機のうち1機で特別に「整備の必要が生じた」ため、その機体を整備するために別の1機が整備機材を輸送した。機体に不具合があった可能性もあるが、防衛省は「詳細は把握していない」と説明している。 

 鹿児島県の塩田康一知事は同日、安全に万全を期し、陸上を飛行しないことを米側に要請するよう九州防衛局に申し入れたと明らかにした。鹿児島県奄美市の安田壮平市長は「人命救助ということで致し方ない一方、事故直後で島民が不安を感じている中であり、懸念を禁じ得ない」とのコメントを出した。

 米軍は事故後、横田基地(東京都)配備のCV22の飛行は停止したが、MV22、海軍仕様のCMV22の運用は続けている。日本政府は米側に対し、日本国内でのオスプレイ運用について、安全が確認されてから飛行を行うよう要請しているが、捜索救助活動での使用は容認している。

 2機のMV22が2日午前8時50分ごろ、奄美空港に着陸。午後1時ごろにもう1機が飛来し、離着陸が繰り返された。米軍は3日も奄美空港にMV22を展開させる予定だ。

 屋久島の住民は不安の声を上げた。11月29日にCV22が落下し、巨大な水しぶきが上がる瞬間を目撃した屋久島町の漁師中島正道さん(68)は「オスプレイが飛ぶと思うと恐怖でたまらない」と話した。無職の図師博幸さん(71)は「事故原因も分からず、7人も見つかっていない。このタイミングで飛ばすのはおかしい」と批判した。

 屋久島では2日朝、長さ4・5メートル、高さ2メートル、幅1・5メートルほどの、墜落機の翼の可能性がある物が陸揚げされたことが、関係者への取材で分かった。

(共同通信)