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嘉手納、降下訓練強行 2カ月連続 抗議相次ぐ中


嘉手納、降下訓練強行 2カ月連続 抗議相次ぐ中 上空から次々とパラシュートで降下する米兵=19日午後2時42分、嘉手納町の米軍嘉手納基地(大城直也撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【中部】米軍は19日、嘉手納基地でパラシュート降下訓練を実施した。午後2時20分頃にMC130特殊作戦機から兵士8人が飛び降り、27分頃に基地内に着地した。同36分頃には兵士6人が降下する様子も確認され、42分頃に着地した。嘉手納基地での実施は12月19日に続き2カ月連続。県や周辺自治体が嘉手納基地での同訓練に一貫して反対している中、米軍が強行した。

 降下訓練は、1996年の日米特別行動委員会(SACO)で伊江島補助飛行場で実施すると合意したが、2007年に「嘉手納基地を例外的な場合に限って使用」すると追加合意した。

 嘉手納基地で行う理由について、米軍は伊江島補助飛行場の滑走路の状態が訓練に適さないためとしていた。

 第18航空団は琉球新報の取材に「伊江島は引き続きわれわれの主要な降下地点である」とした上で「当面の訓練要求を満たすために(嘉手納基地の)降下帯を使用することを選択した」と回答した。今後についても伊江島が訓練ニーズを満たさない場合、同基地の降下帯を使用することができるとした。

 沖縄市、嘉手納町、北谷町でつくる嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)会長の桑江朝千夫沖縄市長は「嘉手納基地での訓練常駐化につながるものとして非常に懸念される」とし「嘉手納基地で降下訓練を行わないことと、伊江島補助飛行場の整備を早急に行うことを要請する」とコメントした。

 県は18日、第18航空団に訓練中止を求めていた。玉城デニー知事は「訓練が間を置かず実施されたことは大変遺憾だ」と強く批判した。

(石井恵理菜、福田修平)