ウチナーネットワーク次世代継承事業でフィリピンを訪問中の玉城デニー知事は3日、米空軍基地の跡地で、開発によって経済特区となり各国の企業が進出しているクラークを視察した。
玉城知事は米空軍基地の跡地を開発しているクラーク土地開発公社を訪問し、ジョー・ミゲル副社長から汚染物質の除去などについて説明を受けた。また、経済発展を続けるクラークフリーポートゾーンを視察した。
クラークにはかつて米空軍の基地があり、同じルソン島のスービック海軍基地とともに、軍事だけでなくフィリピン経済にも影響を及ぼしてきた。しかし1991年、ピナトゥボ火山の大噴火によるクラーク基地の損壊に続き、フィリピン上院が米軍の駐留延長を認める条約の批准を拒否。米軍はフィリピンから撤退した。クラーク、スービック両地区はその後経済特区となり、固定資産税免除などの優遇措置によって多くの企業の誘致に成功。雇用も基地時代に比べ大きく増え基地跡地の再開発のモデルとして知られるようになった。
一方、近年では南シナ海へ進出しようとする中国への警戒から、両国の軍事的な協力関係は緊密となっている。2023年にはフィリピン政府が、協定に基づき米軍が使用できるフィリピン国内の基地を、新たに四つ増やし合計で9カ所とした。
(沖田有吾)