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石垣市、竹富町、与那国町が武力攻撃を想定し協定 避難や救護・食料で相互応援を明文化 沖縄


石垣市、竹富町、与那国町が武力攻撃を想定し協定 避難や救護・食料で相互応援を明文化 沖縄 武力攻撃などを想定し「相互応援協定」に署名する(右から)糸数健一与那国町長、中山義隆石垣市長、前泊正人竹富町長=19日、石垣市役所
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【八重山】石垣市、竹富町、与那国町は19日、国民保護法に基づく武力攻撃事態を想定した「八重山地区武力攻撃等相互応援協定」を締結した。他国からの武力攻撃が差し迫っていると政府が認定した際に、1市2町で相互に避難誘導や救護のための職員派遣、食料の提供などをする。「明文化することで強固な協力体制を構築」することを狙うという。

 この日、中山義隆石垣市長、前泊正人竹富町長、糸数健一与那国町長が石垣市役所で協定書に署名した。

 協定は、この他に(1)避難施設や住宅の提供(2)輸送路の確保(3)物資や資機材の提供―などを定める。

 中山市長は「北朝鮮の弾道ミサイル発射や中国による領海侵犯など先島諸島周辺で安全保障を脅かす行動が懸念される」と指摘。その上で「国境の諸島であるため緊急事態に対処すべきいとまがない」「3市町が協力することで被害の軽減、対処すべき事態の対応策が多く構築されることを期待する」と述べた。

 協定は3首長の間で、昨年から必要だとの認識を共有していたという。19日に石垣市内で八重山広域市町村圏事務組合理事会があったため、この日に締結したという。

 糸数町長は万が一の有事の際は「与那国町だけで対応できない」と指摘し、前泊町長も「一時避難場所の石垣市に町単独で住民を避難させることは不可能」だと述べ、いずれも協定締結による自治体間の連携は意義があるとの考えを示した。

 報道陣から武力攻撃を想定した協定は他国を刺激するのではないかと問われた中山市長は「住民避難の連携をすることで、他国を刺激するという理由が分からない。不安をあおっているのはマスコミだ」と語気を強めた。 (照屋大哲)