「爆音、気が狂いそう」町民の怒り頂点に 嘉手納町議会が全議員で要請行動へ 騒音激化と降下訓練に抗議 沖縄


「爆音、気が狂いそう」町民の怒り頂点に 嘉手納町議会が全議員で要請行動へ 騒音激化と降下訓練に抗議 沖縄 米軍嘉手納基地の騒音激化と、同基地でのパラシュート降下訓練について抗議する決議・意見書を全会一致で可決した嘉手納町議会=5日、同町議会
この記事を書いた人 Avatar photo 石井 恵理菜

 【嘉手納】嘉手納町議会(仲村渠兼栄議長)は5日の3月定例会で、米軍嘉手納基地の航空機騒音激化と、同基地で3カ月連続でパラシュート降下訓練が実施されたことに抗議する決議・意見書をそれぞれ全会一致で可決した。抗議・意見書は全議員の連名。

 15日には、全議員で沖縄防衛局の伊藤晋哉局長を訪れ、直接意見書を手渡す。全議員での要請行動は2018年以来となる。従来の要請よりも踏み込み、議会として強い抗議の姿勢を示したい考えだ。

 騒音激化は航空機騒音規制措置の順守や航空機の急上昇・急旋回の禁止、外来機の飛来禁止などを求めた。パラシュート降下訓練については嘉手納基地での訓練の全面禁止と、嘉手納基地で実施する根拠とされる「例外的措置」の撤廃を求めた。

 町議会基地対策特別委員会の當山均委員長によると、町民から「朝の爆音はひどい。気が狂いそう」「病気で寝ているところを起こされた」「精神的に不安定になりそう」などの苦情が来ていることを説明した。

 騒音被害が常態化しているとして、當山委員長は「我慢に我慢を重ねてきた町民の怒りは頂点に達しつつある」と米軍の運用を非難した。

 米空軍は22年11月からF15戦闘機を2年かけて退役させる計画。嘉手納基地では、F15の退役で、F35Aステルス戦闘機などの外来機が巡回配備されたことにより、基地周辺の航空機騒音発生回数が増加した。 (石井恵理菜)