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各地で検出、国対応遅れ PFAS 8都府県で意見書


社会
各地で検出、国対応遅れ PFAS 8都府県で意見書

 環境省

この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信

 発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)が各地で国の暫定目標を超える濃度で検出されている。自治体は危機感を募らせており、8都府県の計12県・市町村議会が国会に対策を求める意見書を提出しているが、国の対応には遅れが目立つ。

 「市だけでは知見も技術も足りない」。岐阜県各務原市の浅野健司市長は14日、環境省を訪れて国定勇人政務官に訴えた。航空自衛隊岐阜基地周辺の複数地点で高い濃度で検出されており、国に汚染源の特定や浄化技術の支援を求めた。市は2024年度の当初予算案に対策関連費として4億円超を計上。今後も負担が続くことを懸念する。

 この数年、PFASが高濃度で検出されたと全国各地の自治体や市民団体が発表。福島県会津若松市では工業団地の排水路、静岡市では化学工場周辺で検出された。泡消火剤として使われていた経緯もあり、青森県三沢市や東京・多摩地域、神奈川県横須賀市、浜松市、沖縄県など米軍、自衛隊基地との関連が指摘される地域も多い。

 愛知県豊山町や岡山県吉備中央町では水道の水源から検出されており、別の水源に切り替えるなど対応に追われた。市民有志の血液調査では、健康影響が懸念されるレベルのPFASが検出された住民もいるといい、不安が広がる。自治体はPFASに関する知見や技術が乏しいのが現状で、単独での対策は難しい。国が現在示している手引は具体的な除去方法について記載がなく、対応が後手に回っている。

(共同通信)