議場で「うそ」問われる資質 議会の監視能力に批判も 南城市長セクハラ疑惑 沖縄


議場で「うそ」問われる資質 議会の監視能力に批判も 南城市長セクハラ疑惑 沖縄 南城市役所=2024年3月撮影
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 古謝景春南城市長のセクハラ疑惑を巡り、市役所内のハラスメントに関する特別委員会を設置した市議会は18日、2月議会の最終日となる。市長は「(議場で)うそをついた」と言って説明を変えたり、被害を訴えた女性の個人情報を暴露したり、公人としての資質を疑われる言動を重ねた。市民からは、市長の姿勢だけでなく、議会の行政監視能力への批判も出ている。

 市長が「うそをついた」と言い出したのは14日午後0時半ごろ。午前中の議会で「(県警から)事情聴取を受けている」と答弁した内容を確認する取材に対してだった。記者から「議場でうそをついたということですか」と問われると、「うそをついた。ははは」と笑いながら、市長室に入っていった。

 午後の本会議で「弁護士に事情を話している」と発言を訂正したが、県警から事情聴取を受けていることが関係者への取材で明らかになっている。

 市長は元運転手の女性が市に被害を申告した当初は「すみませんでした」「私はいつでも辞める覚悟です」と女性にメッセージを送っていた。現在は疑惑を否定し「自分が被害者と思っている」と主張、発言が変遷している。

 3月12日の議会では、市長は質問者から聞かれていない女性の経歴などを一方的に公表。2月末にはSNSにも投稿し、識者から「人権問題で、声を上げようとする人への脅し」と批判されている。市議会特別委員会が投稿の削除を要請したが、削除を拒否した。

 古謝市長を巡っては、市議有志が1月に公表した職員アンケートで「市長からセクハラを受けた」という回答が複数寄せられた。

 市議会特別委で新たな職員アンケートを実施する方向だが、市長は「前市長時代と私の市政時のアンケートを早急に調査する事を確認しました。前市政の恐ろしさが確認されます」とSNSに投稿。特別委の調査への介入を示唆し、特別委の調査の公平性に疑問が生じている。

 一方で、市内外の有志でつくる「ハートのまち南城 人権ファーストの会」が提出した第三者委員会の設置を求める陳情は11日、特別委の安谷屋正委員長の判断で採択が見送られた。

 同会メンバーは「市長をかばおうとしてるとしか見えない」「二元代表制を自覚しているのか」と抗議したが、安谷屋委員長は「本人がやってないと言うものをわれわれは疑うわけにはいきません」と語った。

 同会は18日午前9時から市役所前で抗議のスタンディングを実施する。

 (上江洲仁美、南彰)