防衛省は21日、うるま市の陸上自衛隊勝連分屯地で第7地対艦誘導弾(ミサイル)連隊を発足させ、与那国町の与那国駐屯地に電子戦部隊を配備した。本島への地対艦ミサイル部隊配備は初。
森下泰臣陸上幕僚長は21日の記者会見で、県内外の部隊改編についても明らかにし「南西地域などの島しょ防衛に関する抑止力、対処力の強化を図るため」と述べた。今後も県内では部隊配備や駐屯地の拡張が計画されており、過重な米軍基地に加え、さらに負担が増すことになる。勝連分屯地への地対艦ミサイル部隊配備は「島しょ部に対する侵攻を洋上でより効果的に阻止できる抑止力・対処力を高める」と語った。
勝連分屯地の部隊は、鹿児島県・奄美大島、宮古島市、石垣市の地対艦ミサイル部隊を束ねる「連隊本部」でもある。森下陸幕長は沖縄本島が「これらの配備先のおおむね中間地点」と説明した。射程を約千キロに延ばした12式地対艦ミサイルの能力向上型は「配備先は現在検討中だ。今後検討していくが必ずしも既存の配置場所に限られるものではない」と述べた。
与那国駐屯地の電子戦部隊配備に「地域の電磁波領域の能力が一層強化される」と語った。県内で防衛態勢強化に反対が根強いことについて「わが国全体の防衛体制をどうするかを理解してもらうことだ。今の戦略環境やその対応を丁寧に説明していく」と答えた。
南西防衛態勢の強化として挙げたのは県内のほかに、大分県の湯布院駐屯地の西部方面特科隊の第2特科団への改編で、司令部機能の強化が狙い。勝連に配備された第7地対艦ミサイル連隊は第2特科団の隷下に置かれる。水陸機動団の第3連隊も長崎県の竹松駐屯地で発足した。3部隊で(1)訓練への参加(2)即応体制の確保(3)装備の整備・待機―をローテーションで回すことが可能になるという。
(明真南斗)