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騒音、夜間飛行が常態化 普天間返還、見通せず 日米合意28年 沖縄


騒音、夜間飛行が常態化 普天間返還、見通せず 日米合意28年 沖縄
この記事を書いた人 Avatar photo 梅田 正覚

 米軍普天間飛行場の全面返還合意から、12日で28年が経過した。移設先とされる名護市辺野古の新基地建設では今年1月から大浦湾側の工事が始まり、国は基地が完成し移設が完了するまで12年以上かかると見込む。具体的な返還時期が示されていない中、普天間飛行場では米軍機による騒音や夜間飛行が常態化している。

 宜野湾市によると、普天間飛行場周辺2地点で実施する騒音測定の3月の平均(速報値)が「幹線道路周辺」に相当する70デシベル以上だった。飛行場北東側の野嵩では73・4デジベル、滑走路の延長上にある上大謝名では73・1デシベルだった。

 昨年11月に起きた鹿児島県・屋久島沖での墜落事故を受けて飛行を停止していた普天間飛行場所属のMV22オスプレイは、詳細な原因が公表されぬまま3月14日に飛行再開した。

 沖縄防衛局によると、日米で合意した航空機騒音規制措置(騒音防止協定)で制限される午後10時以降のオスプレイの夜間飛行は3月は飛行再開後4回、4月は10日までに17回確認された。

 宜野湾市や周辺市民によると、今月9日は午後11時47分にオスプレイが普天間飛行場に着陸し「騒々しい工場内の音」に相当する91・5デシベルの騒音が測定された。市にはこの日、騒音の苦情が13件、翌10日に7件寄せられた。「遅い時間まで飛んでうるさい」などとする内容だった。

(梅田正覚)