米軍が19日、嘉手納基地で5カ月連続となるパラシュート降下訓練の実施を計画していることを受け、県は18日、米空軍や沖縄防衛局、外務省沖縄事務所に対し、嘉手納では実施しないよう口頭で求めた。県が伊江島補助飛行場滑走路が整備されるまでの間は訓練を国外、県外で実施するよう求めたのに対し、防衛局、外務省はともに「即応体制を保持する目的から、原則として沖縄で訓練を行う必要がある」と否定的な見解を示した。
要請で県は、5カ月連続の訓練は「県民の思いを踏みにじるもであり、大変遺憾だ」と問題視した。
3月に県職員が伊江島補助飛行場を視察した際、修復完了には相当の時間を要すると米側説明があったことを踏まえ「何ら対策を講ずることなく嘉手納基地での訓練を認めることは理解できるものではない」と厳しく批判した。
一方、防衛局は18日、本紙の取材に対し、今回の訓練はC130を1機使用し、物量投下を行わず、小規模の米軍部隊が自由降下のパラシュート訓練を実施すると、米側から説明を受けているとした。その上で「公共の安全に妥当な考慮を払うよう申し入れた」とした。
(知念征尚)