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大量離職、沖縄で5自治体だけ通知 23年度県労連調査 会計年度任用職員


大量離職、沖縄で5自治体だけ通知 23年度県労連調査 会計年度任用職員 会計年度任用職員
この記事を書いた人 Avatar photo 與那原 采󠄀恵

 沖縄県労働組合総連合(県労連)は8日、県と市町村の会計年度任用職員の2023年度末時点での離職者に関する全自治体アンケートの結果を公表した。県を含む全42自治体から回答があり、30人以上の離職者が出る場合に労働局への提出が義務付けられている「大量離職通知書」について、報告を行っていると回答したのは5自治体(12%)にとどまった。

 労働施策総合推進法に基づき、国や地方公共団体の任命権者は一定期間内に30人以上の職員が離職する場合、離職する1カ月前に労働局へ「大量離職通知書」を提出することが義務付けられている。また、離職者が30人未満の場合であっても、一定規模の離職が予定され、再就職先が確保されていない場合は円滑な再就職支援のためにハローワークへの相談が推奨されている。

 今回県労連が実施したアンケートの結果によると、離職者が30人以上は20自治体、10~29人は11自治体、10人未満は11自治体。労働局への報告を「行っている」と回答したのは県、那覇市、名護市、中城村、国頭村の5自治体(12%)だった。「行っていない」と回答したのは35自治体(83%)で、理由として「離職者が30人未満のため」が16自治体と最も多く、そのほか「労働局への報告を認識していなかった」「1カ月前時点で正確な離職者を把握していないため」などがあった。

 アンケートは3月に配布、5月7日までに全て回収した。3月末時点で任用を終了した離職者数や、離職理由、労働局への大量離職者報告の有無など5項目について質問した。23年度末時点での離職者数は3036人(前年比219人減)。離職理由で最も多かったのは「任期満了」で2246人だった。

 日本自治体労働組合総連合(自治労連)県事務所の長尾健治委員長は、「誰もが雇用の不安、生活の不安のない公務職場をつくるために全力を挙げたい」と話した。県公務公共一般労働組合では会計年度任用職員の悩み相談を受け付けている。電話098(853)6545。 

(與那原采恵)