2022年度末時点で県内の米軍専用施設の面積は1万8452ヘクタールと、復帰時から33・8%減少した。しかし、辺野古新基地建設を巡る国の代執行や無人偵察機の配備、オスプレイの飛行再開強行など、他の都道府県とは次元の異なる基地負担を担わせられている。
さらに近年では自衛隊の増強が顕著となっている。自衛隊施設の面積は、米軍基地とは逆に復帰時の166・1ヘクタールから22年度末で4・7倍の783・1ヘクタールとなり、自衛隊の「存在感」は増している。宮古島、与那国島、石垣島への駐屯地開設に続き、今年3月にはうるま市の陸自勝連分屯地に、沖縄本島で初めて地対艦ミサイル部隊が設置された。
防衛省がうるま市計画した陸自訓練場の整備は、保革を超えた住民の強い反対によって、断念に追い込まれた。しかし防衛省は、陸上自衛隊第15旅団の師団化に伴う訓練場の不足を理由に、本島内で別の候補地を探している。
政府は「目に見える基地負担の軽減」を繰り返す。しかし、頭上を飛び交うオスプレイや戦闘機の騒音、繰り返される米軍人・軍属の事件事故など、県民は真の意味で基地負担の軽減を実感できていない。
(沖田有吾)
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