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「台湾有事」で沖縄から12万人…避難先の政府案を了承 宮古→福岡など、石垣→山口など 九州知事会


「台湾有事」で沖縄から12万人…避難先の政府案を了承 宮古→福岡など、石垣→山口など 九州知事会

 首相官邸

この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信社

 政府は3日の九州地方知事会議で、台湾有事などを念頭に沖縄県宮古島市など先島諸島5市町村の住民ら約12万人を九州各県と山口県に避難させる計画を巡り、市町村ごとの避難先となる県の設定案を示し、各県知事から了承された。各県は本年度中に、避難開始から約1カ月の間に必要となる輸送手段や受け入れ施設の確保に関する初期計画を策定する。

 同日の記者会見で林芳正官房長官は「避難先となる県を提示させてもらった。各県と連携し、国民保護の取り組みを推進していく」と強調した。

 設定案によると、5市町村で人口が最も多い宮古島市(約5万3千人)は福岡、熊本、宮崎、鹿児島の4県、石垣市(約4万8千人)は山口、福岡、大分の3県で、それぞれ分担する。竹富町(約4千人)は長崎県、与那国町(約2千人)は佐賀県、多良間村(約千人)は熊本県としている。

 石垣市と竹富町、与那国町の住民は福岡空港、宮古島市と多良間村は鹿児島空港を経由して移動する想定という。政府は避難対象人数について旅行者を含む計約12万人を見込んでいる。

沖縄・先島諸島5市町村の避難先案

 知事会議は熊本市で開催され、設定案は内閣官房の担当者が示した。

 会議では、受け入れに向けて各県が連携して取り組むことを確認。九州地方知事会長の河野俊嗣宮崎県知事は会議後の会見で「想定や検討すべき課題は多い。避難計画をつくり、何年もかけて肉付けする作業のスタートになった」と述べた。

 河野氏によると、オンラインで出席した林氏は「万が一に備え、迅速な住民避難の体制整備や受け入れ態勢の検討が重要だ」と述べ、各知事に計画への理解を求めたという。