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給食費負担の「格差」解消へ 県が全市町村に半額補助 「全額」求める声も 沖縄


給食費負担の「格差」解消へ 県が全市町村に半額補助 「全額」求める声も 沖縄 学校給食(イメージ)
この記事を書いた人 アバター画像 知念 征尚

 琉球新報の調べでは、県内41市町村のうちすでに学校給食費の無償化に取り組んでいる自治体は、6月時点で21市町村あった。一方、20市町村では保護者の負担が生じている実態がある。県が全市町村に中学生の給食費の半額補助を決めたことで、お金がかかる高校進学を前に、保護者の経済的な負担軽減につながる可能性がある。 

 無償化した21市町村のうち、期間限定で実施しているのは3市町ある。ふるさと納税や、米軍再編交付金を財源として活用している自治体もあり、安定的な運営という面でも課題があった。

 一部補助していると回答した16市町村の中でも、北中城村が4分の3を補助するとした一方、沖縄市は第3子以降を無償化対象とするなど補助対象や金額は多様だ。

 各首長の公約や政策判断も合わせ、各自治体は厳しい財政事情の中で取り組んでいる実態が浮かぶ。

 県が市町村に対して一律で半額分を補助すれば、現在補助を行っていない自治体でも保護者の負担軽減につながる。すでに実施されている自治体でも補助率の増加や、県の補助で浮いた費用を他の事業に振り向けるなど、効果の広がりが期待される。

 一方、県内自治体からは、小学生分を含めた全額を県の負担で実施するよう求める声もある。

 これに対し県幹部は今回の取り組みを給食費無償化の「第一歩になる」と意義を強調した。首長の中には自身の選挙でも給食無償化を訴えた人もいるとし「全てを県に求めるのはおかしい」と疑念を口にした。

 また、一部自治体は就学援助制度利用者の給食費が対象外となっていることを疑問視している。

 これについて県教育委員会は就学援助対象者は「地方交付税において地方財政措置がなされている」とすでに予算面で措置が行われていると説明し、理解を求めた。

 県は今後、自治体の担当者と意見交換を重ね、12月の要綱策定に向けた取り組みを進める。

(知念征尚)