【東京】木原稔防衛相は13日の衆院安全保障委員会で、有事の住民避難について「部隊を機動展開した復路で、その民間や自衛隊の輸送力を活用して住民を輸送し避難させるということが考えられる」と語った。質問した赤嶺政賢氏(共産)は「住民が攻撃にさらされる危険は増大する。(1944年に米潜水艦の攻撃で沈められた)対馬丸と同じ過ちを繰り返すことになる」と反発した。
木原防衛相は「自衛隊の機動展開能力を住民の迅速な避難に必要な輸送手段として使用するのは、武力攻撃に十分先立って行われることを想定しており、指摘には当たらない」と答えた。
赤嶺氏は「対馬丸も先立って避難した(が撃沈された)」と指摘。対馬丸は日本軍に徴用されて沖縄への部隊輸送にも使用されていたとし「軍民を混在させないことが、あの悲劇からくみ取るべき教訓だ」と強調した。
(明真南斗)