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【深掘り】辺野古、埋め立て「強行」鮮明に 県議選から2日後に通告 大浦湾側の護岸工事着手 沖縄


【深掘り】辺野古、埋め立て「強行」鮮明に 県議選から2日後に通告 大浦湾側の護岸工事着手 沖縄 名護市辺野古の新基地建設現場
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局は18日、県に対し、8月1日から大浦湾側の護岸の埋め立て工事に着手すると通知した。引き続き質問には応じるとしているが、県の対応いかんにかかわらず工事を始める姿勢も示し、事実上の協議打ち切り通告と言える。昨年12月に設計変更承認の代執行に踏み切って以降、1月には県の求めを無視して海上ヤードの工事に着手するなど強硬姿勢が鮮明になっている。 

 16日に投開票された県議選2日後の通知となった。国は前回2020年に行われた県議選の際にも、新型コロナを理由に約2カ月止めていた辺野古側への土砂投入を選挙から5日後に再開するなどしてきた経緯があり、今回も選挙戦への影響を避ける狙いがあったとみられる。

 事前協議は2013年に行われた埋め立て承認の「留意事項」の一つ。県が実施設計について事前に県と協議するよう定めたことに基づく。

 協議を巡っては県と国の認識が食い違い、たびたび火種となってきた。

 防衛局は15年、軟弱地盤のない辺野古側を中心に12カ所のみ実施設計を提出して県に協議を申し入れた。県は護岸全体をまとめて示すよう求めたが防衛局は応じなかった。一方的に協議を打ち切って辺野古側の護岸工事に先行着手した。

 代執行を踏まえて造成している大浦湾側の海上ヤードについても、県は協議対象だとして事前協議を求めたが、防衛局は対象外と主張して協議せずに今年1月、工事に着手していた。

 大浦湾側に生息するサンゴ類約8万4千群体の移植作業も5月24日に着手したばかり。夏場の移植に懸念も指摘される中、国は並行して作業を進める構えだ。

 (知念征尚、明真南斗)