【北大東】北大東村への航空自衛隊の移動式警戒管制レーダー配備計画を巡り、防衛省が27日に同村を訪れ、鬼塚三典村長や村議と面談する。施設整備に向けた調査結果や配備の決定について、説明があるとみられる。村や議会は計画に肯定的だが、村が11日に開いた地域行政懇談会では、村民からレーダー配備計画への懸念が聞かれるなど、不安の声も上がる。
北大東村議会は2021年12月9日、「自衛隊誘致に関する意見書」を全会一致で可決。レーダー施設などの配備を要請する計画が明るみになった。同月22日に当時の宮城光正村長が村への自衛隊配備について、防衛省で鬼木誠副大臣に正式に要請した。
防衛省は22年7月ごろに、レーダー配備に向けて、北大東村での調査を本格的に始めた。23年7月に防衛省が初めて開催した住民向け説明会で、同省は北大東村をレーダー配備の「適地」と説明。島の北東部と南部の村内2カ所をレーダー部隊の基地の候補地として検討していることを明らかにした。北東部は隊庁舎地区と管制レーダーなどを配備する監視地区2カ所の主要基地、南部は地上電波測定装置などを配置する監視地区を整備するとした。24年2月に、村での全調査を終了している。
27日にレーダー配備に向けて進めてきた調査の結果を説明することを受け、北大東村議会の奥山久夫議長は「議員はレーダー配備に前向き。防衛省からの説明で、配備内容の詳細が聞ければと思う」と受け入れに肯定的に話した。
21年当時は「自衛隊誘致に関する意見書」に賛成だったという、ある村民の男性は「沿岸監視部隊を置く、として開設された与那国の自衛隊施設は、今ミサイル部隊の配備を巡って揺れている。自衛隊を受け入れた離島では、戦闘を想定した避難計画の具体化が進んでいる」と、島への負担増加と戦争への不安を語った。
(藤村謙吾)