在沖米海兵隊は30日、新たな水陸両用戦闘車(ACV)を那覇軍港で受け取ったと発表した。今後、数日かけて那覇軍港から名護市の米軍キャンプ・シュワブに輸送する。
ACVは8輪の水陸両用戦闘車。海兵隊は発表文で、すでに配備されているAAVを「全面的に改良」した車両と説明した。
同日、那覇軍港では複数のACVが陸揚げされているのが確認された。沖合の船舶から岸まで兵士などを移動させることに用いられる。
ACVは、海兵隊が進める有事に部隊を島しょ部に分散展開させ攻撃拠点を確保する構想「遠征前方基地作戦(EABO)」に、「不可欠な装備品」(米軍準機関紙「星条旗紙」)という。
米海兵隊第3海兵遠征軍司令官のロジャー・ターナー中将は発表文で「海上拒否や海上作戦を支援できる水陸両用戦闘車で、われわれの艦隊をアップグレードし、抑止力を支援してインド太平洋における不測の事態に対応する能力をさらに強化できる」と強調した。
ACVの運用については、星条旗紙によると、2022年10月、米カリフォルニア州のキャンプ・ペンドルトン付近の海岸で1台が転覆した。同年12月には第15海兵遠征部隊(15MEU)の海兵隊員が乗っていたACVがペンドルトンで横転し、死者が出たという。
6月24日には、うるま市の米軍ホワイトビーチで15MEUのACVが沖合の船から兵員などの輸送を実施した。海兵隊はACVを海外で使用する「最初の運用となった」としている。
(知念征尚)