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「事件隠蔽 許さない」 米兵性的暴行、抗議集会に600人 沖縄


「事件隠蔽 許さない」 米兵性的暴行、抗議集会に600人 沖縄 緊急抗議集会でシュプレヒコールをあげる参加者ら=4日午後6時半、那覇市泉崎の県民広場(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 吉田 健一

 米兵による性的暴行事件の続発と名護市安和桟橋の辺野古新基地建設土砂搬出の抗議現場で警備員ら2人が死傷した事故を受け「沖縄を再び戦場にさせない県民の会」は4日、那覇市の県民広場で「人権と命について考える緊急抗議集会」を開いた。県民ら約600人(主催者発表)が参加した。

 事件を公表しなかった日本政府や県警、謝罪をしない米軍に怒りの意思を示し「沖縄への不条理を許さない」と抗議した。軍事基地の配備拒否と被害者への謝罪、辺野古新基地建設工事の中止などを訴えた。超党派による県民総決起大会の開催も求めた。 

 集会では、性的暴行事件と安和の死傷事故についてそれぞれ抗議決議を採択。性的暴行事件に関する抗議決議では、日本政府や県警などに対して米軍に関するすべての事件事故を隠蔽(いんぺい)することなく公表するよう求めた。

 事故に関する決議では、事故が起きた原因は「政府、防衛省に最大の責任がある」と主張し、事故原因が明らかになるまですべての工事中止を要求した。

 県民の会は近く、二つの抗議決議を持って沖縄防衛局などに申し入れを行う。県民大会の開催は、県議会やオール沖縄会議など各種団体に働き掛ける。

 県民の会共同代表の具志堅隆松さんは「子どもたちに平和な沖縄を残したい。今、明確に求めないといけないのは軍事基地の撤去だ。わたしたちは主権者だ。声を上げ、日米両政府に伝えよう」と呼び掛けた。

 玉城デニー知事は「米軍兵士による非人間的で卑劣な犯罪は女性の人権や尊厳をないがしろにする重大かつ悪質なものであり、断じて許すことはできない」とメッセージを寄せた。 

(吉田健一)