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ゆいレール、普天間への延伸を検討 てだこ浦西駅か古島駅から 沖縄県が基礎調査


ゆいレール、普天間への延伸を検討 てだこ浦西駅か古島駅から 沖縄県が基礎調査 那覇市内を走るゆいレール
この記事を書いた人 Avatar photo 石井 恵理菜

 沖縄都市モノレール(ゆいレール)の宜野湾市普天間方面への延伸の可能性を探るため、県が本年度、基礎調査を始めたことが分かった。

 大まかな事業費や利用者数、収益を調査し、実現可能性が高ければより厳密な調査に移る。米軍キャンプ瑞慶覧の西普天間住宅地区跡地の整備が進む中、「比較的延伸の可能性がある」として、普天間までの区間を調査対象に選定した。 

 調査する延伸ルートは(1)古島駅―普天間(2)てだこ浦西駅―普天間の二つ。路線の距離や駅の位置など詳細は基礎調査の段階では決めていない。鉄軌道導入を見据え、地域と鉄軌道の駅を結ぶフィーダー(支線)交通の可能性を一体的に調査する事業の一環。

 県交通政策課の担当者は「西普天間地区への琉球大病院の移転や普天間飛行場の将来的な返還など、普天間は目に見えて開発が進んでいく」と選定の理由を説明した。基礎調査の結果は、来年度に公表したい考え。

 県は2018~21年度にも、延伸の可能性調査として(1)豊見城―糸満(2)那覇―与那原(3)那覇―南風原―首里駅(4)てだこ浦西駅―西原(5)てだこ浦西駅―中城の5ルートを基礎調査した。だが21年度の調査結果では、導入コストに対する経済効果を示す「費用便益比」(B/C)は各ルートで0・15~0・45と低く、事業実施目安となる1に満たなかった。

 この5ルートについて県担当者は「周辺環境の状況が変わり、延伸の可能性が高まれば、再度調査する可能性がある」と説明した。 

(石井恵理菜)