白熱「普天間問題の代替案は」「旧統一教会との関係は」クロス討論　宜野湾市長選　立候補予定者座談会（3）

　9月8日投開票の宜野湾市長選に向けて琉球新報は23日、立候補を表明している元市長で無所属の佐喜真淳氏（60）＝自民、公明推薦＝と市議で無所属の桃原功氏（65）＝立民、共産、社民、社大推薦＝を招き、沖縄市の中部支社で座談会を開催した。2氏は経済や雇用、普天間飛行場移設問題、子育て支援など、政策について議論を交わした。普天間飛行場移設問題については両氏共に早期の返還実現を訴えた一方で、政府が代替施設とする辺野古新基地は賛否が分かれた。クロス討論では政治姿勢や政策の財源などを巡り、白熱した論戦を展開した。（’24宜野湾市長選取材班）（文中敬称略）

佐喜真氏「普天間問題の代替案は」
→　市民と連動し返還要求　桃原氏

　佐喜真　4つのゼロのためにはいくら必要で、さらにはその財源をどのように捻出するのか。

　桃原　国保税ゼロについては0歳から6歳までの子どもの国保税であり、国策で5割の支援がされている。残りの5割を支援していきたい。現在は均等割ということで、生まれてすぐの子どもたちに設定されているが、これを算定すると1千万円には至らず、数百万円となる試算だ。これは本年度の予算では設定することができなくても、次年度予算で計上してしっかりと補助したい。当初予算は一般会計からの持ち出しになるかもしれないが、数百万単位なので大丈夫だ。

　佐喜真　普天間飛行場について、辺野古も普天間もだめということは感情論だと思う。代替案はあるのか。

　桃原　普天間飛行場について、感情論ではなく、現実論として意見を表明している。代替案を示すべきという指摘については、そこまで私たちが考えなくてはならないのかというところだ。ヘリや落下物などの危険性が高い中で、私たちは即時閉鎖を求めている。普天間飛行場を返還する際に辺野古が代替案というのは日米両政府が示しているものであり、県民の案ではない。さまざまなチャンネルを使い、市民が一緒に連動して返還を求めていくということが、私の主張だ。

桃原氏「旧統一教会との関係は」
→　反省し関わりを絶った　佐喜真氏

　桃原　12年の市長選で対立候補の伊波洋一さんを「知事になるために市長を捨てた出戻り」と批判したが、同じでは。

　佐喜真　大きな違いは7月26日に松川市長が公務途中に急死された。そこにまず重きを置いている。2期6年半、市長と副市長という立場で苦楽を共にした。普天間飛行場問題を解決しようと誓い合った。今回、急な選挙で、市議や経済界も含めて多くの方々から出てほしいと要望があった。松川市長の自宅にも行き、秀子夫人から「あなたが出ることで松川市政を継続できる。立候補をとてもうれしく思うと同時に、喜んでいる」と話があった。それが出馬する大きなきっかけだ。

　桃原　改憲・右翼団体の日本会議への加盟や旧統一教会とのつながりが指摘されている。説明を。

　佐喜真　日本会議については、私が県議時代の話で、当時は加盟というか接点はあった。その後、市長となり、今日まで日本会議との接点はない。旧統一教会の話だが、2年前の知事選挙でも大きく報道された。同団体に対しては詳細を知らずに、イベントなどいろいろな所に赴いた。非常に反省し、以来、今日まで一切の関わりを持っていない。これからも関わり合いを持たない。今後、政治活動に当たり襟を正して、市民や県民が理解できるように透明性を持って活動していく。