8日投開票の宜野湾市長選では、各候補が市民生活向上に向け、教育や子育て世帯支援、高齢者福祉などにも重点を置いた政策を訴えている。新人で前市議の桃原功氏(65)=立民、共産、社民、社大推薦=と元市長の佐喜真淳氏(60)=自民、公明推薦=に福祉政策や多様性について聞いた。
子育て世帯への支援について、桃原氏は給食費、保育料、高校生までの医療費、0~6歳の国保税をゼロにする「4つのゼロ」を選挙戦の目玉に据え「おむつ定期便や病児・病後保育拡充、学童クラブ整備」も掲げる。
佐喜真氏は通院費と入院費の現物給付の18歳までの引き上げを訴える。3年保育や土曜保育など「市民の保育ニーズに応えて計画された市立幼稚園の認定こども園移行を進める」と訴えた。
給食費の助成は両候補とも全額補助を訴えた。桃原氏は県と連携して進める考えで「給食の質向上、地産地消を目指す」とした。佐喜真氏は県に学校給食の完全無償化を求め「市独自でも負担減を検討する」とした。
宜野湾市では市内の子どもの3・6人に1人が困窮しているとされており貧困対策は喫緊の課題となっている。両候補ともに居場所作りを軸とし、桃原氏は無料塾整備やバス通学費支援、独自奨学金創設を掲げ、子どもと保護者への支援を同時並行で進めるとした。
佐喜真氏は、子どものウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に幸福な状態)実現へ国や琉大と共に進めるとした。 高齢化社会への対応策で、桃原氏は公民館でのミニデイサービス充実や広域型コミュニティーバス運行を挙げ「誰一人取り残さない宜野湾市を実現する」と強調した。
佐喜真氏は高齢者のフレイル予防や移動支援、道迷い防止、シルバーパスポート加盟店拡充など「多角的に取り組んでいく」と訴えた。
性の多様性については両候補の考えが分かれた。パートナーシップ制度の是非について、桃原氏は「賛成」とし佐喜真氏は「どちらでもない」とした。
桃原氏は、共生社会実現へ早期のパートナーシップ条例制定を掲げ「同性カップルや事実婚の方に、婚姻と同等の権利を保障する制度を構築したい」と訴えた。
佐喜真氏は、法的な権利は「国において検討するもの」とした上で、市民から具体的希望があれば「パートナーシップ制度を検討できるのではないか」とした。
(’24宜野湾市長選取材班)