佐喜真淳氏は市長を2期6年務めた知名度と、市政与党市議団17人、自民・公明からの支援を受け組織戦を展開し、手堅く支持を固めた。低投票率も有利に働いた。さらに行政手腕の評価が高かった故松川正則市長の「継承」を訴えたことで、松川氏を支持する無党派からの支持を得ることにもつながった。
佐喜真氏は普天間飛行場の早期返還の実現と跡地利用の推進を掲げたことで地域経済活性化を望む市民からの期待も集めた。基地返還跡地の西普天間住宅地区に琉球大学病院が建設され、目に見える形で地域経済活性化が見込まれることも支持拡大を後押しした。
一方、知名度に劣る桃原功氏は短期決戦で政策を十分に浸透させることができなかった。宜野湾市長選で初めて連合沖縄の推薦を得て運動を展開したが、時間が足りなかった。また、市長選では暮らしを支える政策を前面に打ち出したものの、長年市議会で基地問題に取り組んできたことからくる「基地問題重視」の印象を拭い去ることはできなかった。保守層を切り崩せず、無党派層の支持拡大も限定的だった。
(梅田正覚)