【宜野湾】8日の宜野湾市長選に当選し、3期目の任期が始まった佐喜真淳市長に米軍普天間飛行場の返還問題や抱負などを聞いた。
―当選から一夜明けた。
「松川正則市長の市政を継承する。その思いで選挙に臨み、当選できてうれしい。気を引き締めて与えられた任期4年を全うしたい」
―選挙戦の勝因は。
「勝因は松川市政の継承を訴えたことだ。選挙戦を振り返ると余裕はなかった。最終盤まで危機感を持って取り組んだことが結果として大差につながった。ただ低投票率は非常に反省する点だ」
―普天間飛行場の返還をどう実現するか。
「普天間飛行場の返還期日が明確には示されてはないので、政府に対して求めていく。そういう姿勢を貫き通したい。そして最高裁で代替施設である名護市辺野古の埋め立て計画は『合法』との判決が出ている。私としては普天間飛行場の代替施設問題というよりは、原点である普天間飛行場の危険性除去を実現できるよう、市民を代表して政府と交渉したい」
―新基地建設に反対する玉城デニー知事と面談した際はどう伝えるか。
「普天間飛行場の問題を前に進めていただきたいということだ。原点は普天間飛行場がまちのど真ん中にあるがゆえに28年前に返還合意されたことだ。県全体としてもう一度、この原点に返ってほしい」
―基地負担の軽減をどう実現するか。
「外交や防衛に関しては国の専権事項なのでコメントは難しい。ただ、例えば米軍機の騒音問題などは可能な限り米軍は配慮することが重要だ。政府に対しても私は臨機応変に対応する。やみくもに全てを了解するものではない。市民の側に立ち、利益になることであれば積極的に協議する」
―まちづくりは。
「松川市長の市政継承なので、やり残したことを精査をしながらやっていく。西海岸地域なら屋外劇場の整備、普天間地域や真栄原地域を開発する『普天間飛行場周辺まちづくり事業』など地域ごとにさまざまなテーマを持って取り組まないといけない。市民の暮らしが良くなったと実感できるよう努力したい」
(聞き手 梅田正覚)